舞台は、ポーランドの地方の小さな村。
村の青年や少女たちは朝早くから元気に麦の収穫へ向かいます。小さい子供たちはまだ眠たそうです。

スワニルダもすっかり眠たそう。家から出て大きなあくびをしていると、コッペリウス邸の２階からコッペリウスおじさんにそれを見られてしまって少し恥ずかしそうです。

スワニルダはいつも朝一番にお花を摘んできてくれる村の青年、フランツを探しますが今日はまだ来てくれないようです。
スワニルダとフランツは結婚を約束した恋人同士です。仲はいいけれど小さなことでケンカする事が多くて、それでもすぐに仲直り。二人はお互いを大切に思っています。
ところが、最近のフランツの様子は何かがおかしいのです。スワニルダには心当たりがあります。
さっきのコッペリウス邸の２階にはいつも素敵な女の子が座っていて、フランツは彼女のことが気になってスワニルダのことを大切にしなくなったように感じるのです。
２階の少女はスワニルダとフランツがいつものケンカをしていても表情一つ変えずひたすら本を読んでいるのです。それなのにフランツは彼女が気になって仕方がない様子。スワニルダはなおさら気に入りません。

やっとフランツがやってきました。でもスワニルダは気持ちがモヤモヤして家の影に隠れてしまいました。そしてこっそりフランツの様子をうかがっていると…
なんとフランツは、持ってきた花束を２階の少女にささげてしまったのです。そして、もっと悪いことにその２階の少女にキスを投げてしまったのです。

スワニルダはすべてを見てしまいました。
ふと我に返ったフランツはスワニルダのために摘んできた花束を彼女に手渡しましたが、スワニルダはわざとらしくそれを落っことして、『あら、せっかくのお花を落としちゃってごめんなさい。これはあなたが２階の少女のために摘んできた大切なお花だったわね!!　どうぞ彼女にあげていらっしゃい!!』といやみを言ってしまいます。

フランツは必死に僕が愛しているのはスワニルダだけだと説明しますがスワニルダはもうカンカン。フランツを追いかけて花束を捨てて泣いてしまいます。もちろん泣いたふり。なんとしてでもフランツに自分だけを見てほしいのです。

そうしているうちに村の子供たちが踊りの行進をはじめるラッパの音が聞こえてきて、それを聞いたスワニルダとフランツの友人たちが仕事を中断してやってきます。
『君たちはまたケンカをしているのかい？まぁいつものことだろう。とにかく踊りの行進がはじまるよ!!僕たちも一緒に踊ろう』
そういって村人たちのマズルカの踊りが始まります。

躍動感あふれる踊りが終わったとき、市長がやってきて新婚夫婦には村おこしのためにお金をプレゼントするという発表をします。村人たちは大喜びです。しかし、婚約をしているはずのスワニルダとフランツは市長の申し出に乗り気ではありません。

そこで何かを感じ取った市長は、麦の穂の占いを提案します。この村の言い伝えで、選んだ１本の穂を振ってカラカラと音がなればそれを振った二人は結ばれる。というものがあるのです。
スワニルダは興味を持ちますがフランツは２階の少女がきになるせいか乗り気ではありません。そして残念ながら占いは失敗に終わります。

スワニルダの友人たちはその悪い空気を断ち切ろうと、スワニルダと一緒に踊り始めます。スワニルダとパ・ド・シスの踊りです。
華やかで元気な踊りでスワニルダは元気を取り戻します。そこへ市長が収穫して加工したてのワインを酒場の女性達と持ってやってきます。青年たちはワインの味見をしながら女性たちのチャルダッシュの踊りを堪能します。踊りを終えると、市長が村人たちに加工したてのワインを酒場でご馳走するというので、村人たちは市長について行きます。フランツもスワニルダを誘いますが、スワニルダは友達と家でのんびりしたいからまた明日会いましょう。と言ってお別れします。

しばらくするとコッペリウス邸からコッペリウスが出てきて酒場へ行こうと楽しそうにしています。戸締りを確かめていたところに酒場から帰ってきた酔っ払ったフランツ達に絡まれて、大喧嘩となってしまいます。なんとか彼らを追い払ったコッペリウスでしたが、汗を拭こうとした時に大切な家の鍵を落としてしまいます。彼はそれに気づかずに酒場へ向かって行きました。

スワニルダの家からはケンカの声を聞いた友人たちが心配して飛び出してきて、落ちている鍵をみつけます。スワニルダは、この鍵はコッペリウス邸の鍵に違いない。２階のあの少女をもっと近くで見てみたい。そういって友人たちを引き連れてコッペリウス邸へと忍び込むのでした。

酒場からもどってきたコッペリウスはご機嫌でしたが、家の鍵をなくしたことに気がつき、さらには家の扉が開いていることで何者かが自分の家に忍び込んだことを知り、その後を追います。

時を同じくして、先ほどケンカから逃れたフランツはまだお酒がのこっているせいか２階の少女に会いたくなって、ハシゴを持ち出してコッペリウス邸の２階へと登って行くのでした。