コッペリア 第2幕 おはなし
コッペリウス邸へと忍び込んだスワニルダと友人たち。
部屋には見たこともない得体の知れない物がたくさん置かれていて不気味な雰囲気が広がっています。
スワニルダは2階の少女、コッペリアを見つけますが怖くて近づけません。しかし友人たちはこんなところに自分たちを連れてきたスワニルダに詰め寄ります。
『あなたが私たちを連れてきたのだから、あなたが挨拶していらっしゃい!!』
しぶしぶコッペリアに挨拶をしに行くスワニルダですが、コッペリアはまったく反応してくれません。
スワニルダはおかしなことに気がつきます。
『彼女、眼が動いてないの。一度もまばたきをしないのよ』
勇気を振り絞ってコッペリアに近づいたスワニルダは、コッペリアの心臓が動いていない。つまり彼女は人形であると気がついて友人たちと安心して笑います。フランツは人形を相手にキスを投げていた。フランツは人形を相手に恋をしていたかもしれない。スワニルダたちは愚かなフランツを馬鹿にしていていると、部屋に座っている何かにぶつかってしまいます。するとそれはとんでもない速さで走りだしたり、目が回るほどに回転をしたりするのでみな怯えてしまいますが、ついにはそれは人形で、この部屋にあるものは全部人形であることに気がつきます。そしてゼンマイ仕掛けの人形を動かして遊んでいるところに運悪くコッペリウスが戻ってきました。
大慌てでなんとかコッペリウス邸から脱出した友人たちとは逆に、スワニルダはコッペリアの収納部屋に逃げ込んでしまったので出るに出られない状況に陥ってしまいます。そこで、コッペリアの服を着てコッペリアになりすまして難を逃れようとします。
コッペリウスがいたずらされた部屋を片付けていると、今度はフランツがハシゴを登って部屋に忍び込んできました。
フランツを捕まえてコッペリウスは問い詰めます。
『お前はワシの家に泥棒しにきたのだろう』
『いいえ。僕はここに探しきたのです』
『何をじゃ』
『ここには美しい女の子がいて、僕は彼女と結婚したいのです。』
コッペリウスは考えます。この青年はワシの作った人形に恋をして結婚したいと言っている。もうずいぶん前に亡くなってしまった愛する妻コッペリアに似せてワシが作った人形に恋をしたと言っておる。もしかするとワシの家に伝わる魔法、命を入れ替える魔法でフランツの命を吸い取ってコッペリアを生き返らせる事ができるかもしれない。
コッペリウスは私は怒っていないから一緒に酒をのもうじゃないかと言いながら、睡眠薬を混ぜたワインでフランツを眠らせ、命を抜き取る魔法の準備をはじめました。
それを見ていたスワニルダは、フランツを起こして一緒に逃げ帰るついでに魔法にかかったふりをしてコッペリウスをからかってやろうと計画します。
ありもしない魔法で動き出したと思われたコッペリアに大喜びのコッペリウスでしたが、結局スワニルダはフランツを起してあなたは人形に恋をしていたのだと告げます。フランツは自分の恥を知りスワニルダに謝罪します。
スワニルダのからかいによってコッペリアを壊されてしまったコッペリウスでしたが、スワニルダのフランツへの本当の想い、そして私も過去をひきずらず、この若者たちと同じように未来へむかうべきだと気づかされ、二人の愛を認めて屋敷から逃がすことにしたのでした。
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